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XLX250Rのパルサコイル故障(2011年秋) [バイク]

このページは、リンクの一番上にあるYahoo!ジオシティーズ サービスが終了することになったので、このブログに移植したものです。
内容が古ければご容赦願いたい。
ブログに移植するのは、ジオシティーで作った内容も少ないし、テキストエディタで書いたのでちょっといじればこのブログでも表示できるので、他のホームページサービスの登録をして管理するサイトを増やすのも面倒、と思った次第。
文章は適当に修正、加筆するかもしれない。

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XLX250Rのパルサコイル故障(2011年秋)





  • エンジンストップ
    前兆なく、いきなりエンジンストップ。
    キックをしても反応なしでエンジンが回りだす雰囲気が無い。

    帰って状況を確認。
    プラグの火が飛んでいない。
    バッテリーは生きている。ウィンカーも出る。充電系は問題ない模様。
    ガソリンはキャプへはいっている。キャブから出ているかは見えないがプラグの焼けは普通。別のプラグに交換しても変化なし。
    サービスマニュアルを見ながら点火系のチェックをした。
    その結果、
    ・イグニッションコイルの1次側はOK。
    ・イグニッションコイルの2次側は約9kΩ。
    ・ACジェネレータの抵抗はOK。
    ・パルサコイルの抵抗はオープン?
    ・CDIユニットは大丈夫の模様。
     テスタチェック(サービスマニュアルによれば、テスタ仕様によって値が変わる模様。テスタの内部抵抗・回路の違い?)なので正確ではない。CDI各端子間の抵抗値を比較しつつ全体的な傾向が同じという意味でマニュアルに近い値が出ている。

    サービスマニュアルの値と比較した結果、
    ・イグニッションコイル

    ・パルサコイル
    が故障したと思われた。
    普通、2つの部品が同時に壊れる可能性は低い。
    信号の流れとしては、
    [パルサコイル] → [CDIユニット] → [イグニッションコイル]
    なので、パルサコイルとイグニッションコイルが壊れるなら、CDIユニットも壊れている可能性がある。

    パルサコイル(パルサジェネレータ)でエンジンの回転からコイルに誘起した交流電圧(パルス信号)をCDIでタイミング制御してイグニッションコイルで高圧に昇圧してプラグで点火、のはず。

    部品屋さんに問い合わせたところ、幸い、イグニッションコイル、キャップ、パルサジェネレータの在庫があるとのこと。キャップは、パーツリストの表記でノイズサプレッサー・キャップのこと。長いので以後、キャップと略す。
    パルスジェネレータを交換するにはエンジンオイルを抜いてRクランクケースを開けなければならないため、Rクランクケースのガスケットも一緒に手配した。パルスジェネレータを交換するにはエンジンオイルを抜いてRクランクケースを開けなければならない。
    CDIユニットの在庫も確認したがこちらは廃番とのこと。一応、中古品も手配しておくことにする。ただし、CDIユニットには、容量が大きいコンデンサが入っている模様。と、いうことは電解コンデンサの可能性がある。これが一番寿命が短いと思われる。コンデンサは、使っている場合程ではないが保管しているだけでも寿命が来る(アレニウスの法則、温度と寿命の関係)。代わりの部品が無いと修理に手間取るだろう。

    キャップ付イグニッションコイル
    pulse-coil-01-ignition-coil.jpg
    2次側の抵抗値を何度も測定したが大きな値です。サービスマニュアルでは、3.5-4.7Ωとなっている。
    イグニッションコイルからキャップが外れる。サービスマニュアルの表記ではキャップを含んで抵抗値を測定するのかどうかは明記されていない。

    キャップ
    pulse-coil-02-cap.jpg
    中の端子をいじっている内にコイル側のピンを折ってしまった。
    再生はできそうも無いので、外側の赤い樹脂をカッターで切ると中から黒くて固い棒が出てきた。
    キャップのピンは金属だが、本体は金属ではない。抵抗体かもしれない。それならば、kΩの値を示すことも考えられる。ノイズサプレッサーという表現から、回路的には抵抗体でノイズを抑圧しているのでは?と想像した。

    故障したコイルも分解してみたいと思ったが、樹脂で固められており、中は高圧を作るために巻き数が多いと思われ、ばらす手間はかなりかかると思われる。いずれにせよ、高圧部品なので設備・技能もない素人では自作は難しいだろう。


  • 修理
    部品が届いた。

    イグニッションコイル
    pulse-coil-03-ignition-coil-new.jpg
    キャップ
    pulse-coil-04-cap-new.jpg
    キャップの組立
    pulse-coil-05-ignition-coil-new.jpg
    パルサコイル
    pulse-coil-06-pulse-coil.jpg
    まず、新品部品の抵抗値を測定した。
    ・イグニッションコイルの1次側はOK。
    ・イグニッションコイルの2次側(キャップ無し)は、3kΩ。
    ・イグニッションコイルのキャップは、4.9kΩ。
    ・パルサコイルの抵抗は、465Ω。

    バイクに元々ついていた部品の抵抗値は以下。
    ・イグニッションコイルの1次側はOK。
    ・イグニッションコイルの2次側(キャップ無し)は、4kΩ。
    ・イグニッションコイルのキャップは、4.8kΩ。
    ・パルサコイルの抵抗は、オープン。

    どうやら、イグニッションコイルとキャップは壊れているとは言えない模様。
    サービスマニュアルには、2次側の抵抗値は 3.5-4.7Ωと書かれている。
    想像だが、イグニッションコイル単体(キャップ無し)で、3.5k-4.7kΩが正しいのではないか?
    ただし、新しいイグニッションコイルの2次側抵抗値は3kΩなので上記の値には入っていない。
    イグニッションコイルはトランスと同じ構造なので、抵抗値そのものは重要ではないと思われ、むしろトランス内部の巻線抵抗が小さいと損失が小さくなるため部品としては望ましい方向と思える。
    (元のイグニッションコイルは、予備として保管することにする。)
    キャップを壊したのは早まったが、正常品が手に入らなければこういう判断はできなかったのでしかたなしと考えよう。

    パルサコイルの抵抗値はサービスマニュアルの値(520±60Ω)に入っている。小さめの値である。

    結論としては、壊れているのはパルサコイルだけと思われる。

    パルサコイルの交換だが、そのためには、Rクランクケースカバーを外す必要がある。Rクランクケースカバーを外すには、エンジンオイルを抜いて、マフラーも外さなければならない。

    参考
    pulse-coil-07-bolts.jpg
    クランクケースカバーを固定しているネジの場所がわからなくなると困るので、板に絵を描いてビニールテープで固定している。やりかたは人それぞれあると思いますが。

    パルサコイルの交換
    pulse-coil-08-koukan.jpg
    Rクランクケースを取り付けるときは非常に神経を使う。Oリングは付いているか、ガスケットはちゃんと穴に合っているか、スプリングはマニュアル通りに回してはめたか、等、何度も確認しないと心配です。

    慎重に作業してRクランクケースカバーを閉め、マフラーを取り付け、オイルを注入した。
    エンジンは普通にかかった。

    せっかく買ったのでイグニッションコイルも新品に交換した。

    修理は完了。
    後は、しばらく乗って様子をみる。


    補足:
    2019年3月の時点で、今も正常動作を続けている。
    パルサコイルって故障(断線)することもあるんですね。
    パルサコイル交換のためにはRクランクケースカバーを外す必要があるので面倒な修理です。


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    XLX250Rのシート張り替え(2011年春~夏) [バイク]

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    XLX250Rのシート張り替え(2011年春~夏)





  • オケツが痛い
    リターンしてから何度かツーリングに行きましたが、300km位の走行距離になると帰りにケツが痛くなるのです。尾てい骨が。姿勢が悪いのかもしれません。メタボなので体重を落とせということかもしれません。それはそれで改善するとして(本気?)、今のシートも何とか改善したい。それで春頃から色々実験してみました。

  • ケツ痛対策シート1号

    sheet01-01.jpg sheet01-02.jpg
    どんなシートならケツが痛くならないか?
    まず、実験です。100均ですべり止めシートとポシェットを買ってきてて自作しました。中に入れるものを色々変更して様子を見ます。滑り止めシートは中身を入れるネット用。ポシェットからは固定用のベルト部を流用。後はお裁縫です。とりあえず、中身は使わなくなった低反発枕。尾てい骨のあたりに穴を開けてみましたが、シート全体が沈むためかあまり効果が無い。低反発も枕用だからか、柔らかすぎて反発がなさすぎ。


    sheet01-03.jpg
    今度は、中身を100均で買った藁タイプの座布団に変更。薄いです。これもあまり効果がないなあ。

    sheet01-04.jpg
    次に、中身を100均で買った綿のクッションタイプに変更。分厚くなりました。これもあまり効果がないなあ。この時に気がついたのですが、横幅が狭いと結局、尾てい骨に圧力がかかるみたい。見栄えを気にしすぎか.....

  • ケツ痛対策シート2号

    sheet02-01.jpg
    横幅を広くしました。
    中身は1号機の最後の綿タイプです。これでもいまいち。横幅がまだ狭いみたい。そろそろ、恥も外聞も捨てる頃合い(笑)。


  • ケツ痛対策シート3号

    sheet03-01.jpg
    sheet03-02.jpg
    sheet03-03.jpg
    横幅を更に広くしました。
    ここまで来ると、本当に座布団。中身は近くのイ◯ンで買った固めの低反発マット(980円)。
    これは、いけました。ケツが痛くなりません!!! 400km位走っても大丈夫でした。
    分かったこと:横幅が広くないと効果がない(私のケツの場合)。
    大体ですが、おしりの幅くらいが必要です。
    ちなみに、ベルトは使わなくなったデイバッグからも流用しています。



  • シート張り替え

    webでシート張替えについて情報収集。大変参考になりました。
    ケツ痛対策シート3号で冬になるまで持たせるつもりでしたが、材料が揃ってしまったのでシートを張り替えたくなってしまいました。こらえ性がないなあ。真夏の昼間に作業。日陰で作業しましたが、暑い。やっている間は夢中でしたが、夕方には腰が痛くなってしまいました。

    sheet-kakou01.jpg
    合成皮を剥がしたシートと接着剤。結局、これでも足りず、もう一本買いに走ることに。

    sheet-kakou02.jpg
    下に敷くビニール袋。ホームセンターで買ってきました。今回は左の0.1mm厚(厚い方)を使用。

    sheet-kakou03.jpg
    オリジナルシートの側面にウレタンを貼ります。これもホームセンターで購入。

    sheet-kakou04.jpg
    オケツが当たるあたりにケツ痛対策シート3号と同じ低反発マットを配置。

    sheet-kakou05.jpg
    隙間をウレタンで埋めて形を整える。

    sheet-kakou06.jpg sheet-kakou07.jpg
    時々バイクに乗せて様子を見る。削って削って、埋めて埋めて。この作業に時間がかかりました。疲れてきた。最後は、妥協。

    sheet-kakou08.jpg
    ビニール袋を仮固定。

    sheet-kakou09.jpg
    その上から合成皮をタッカーで固定していきます。
    最初の方は、角でシワが出来て見栄えが良くなく、試行錯誤して何度かやり直しているうちにコツが掴めてきました。
    今回使った合成皮は、神戸三宮のユザワヤという手芸関係のお店で購入。5Fの生地置き場で伸縮があってバイクに使えそうなシートを探しました。品名は忘れてしまいましたが、バイクに使えそうな種類はあまり無かったです。オリジナルと同じ青系統は無く、無難な黒にしました。厚さは、オリジナルより薄いです。破けやすいかな? それに、防水じゃないかもしれないので下地にビニール袋を敷きました。ビニールが滑って作業しにくかったので、接着剤で固定しようかとも思いましたが、そのまま何とか張れました。後で思ったのですが、合成皮とビニールの伸縮度が違うので接着してしまうと逆に作業しにくくなったかもしれないですし、ストレスがかかって合成皮が破けやすくなったかも。
    ちなみに、オリジナルと書いていますが、10年以上昔にバイク部品屋さんでシートを張り替えてもらったので(確か、8000円代)、本当のオリジナルではありません。本当のオリジナルは、シートの後ろの方にXLXの文字があります。今回購入した合成皮は、もう一回張れる面積で約2500円でした。タッカーは、100均のもので315円。


    sheet-kakou10.jpg sheet-kakou11.jpg
    なんとか完了。

    sheet-before-and-after-1.jpg sheet-before-and-after-2.jpg
    新旧比較です。幅も高さもボリュームアップしました。
    乗ってみると、ライディングポジションが全体に高くなって、別のバイクに乗ったような感覚。その後、乗っている間に慣れてきました。ただ、高い分だけキックしにくくなりました。高くしない方が良かったかなあ。



  • 追加

    後日、天気が悪い日に内職...余ったシートの切れ端で自転車のシートも張り替えました。
    自転車の方が使用頻度が高いので、こちらが先に寿命が来るかな。さて、手芸屋さんで買ったシート、どのくらいもつかなあ。

    sheet-bicycle01.jpg
    自分の通勤用。

    sheet-bicycle02.jpg
    息子用。

    sheet-bicycle03.jpg
    もう一つ。


    補足:
    この時から以下のように最低2回はシートを張り替えています。

    https://kaaru-ni-kaaran-zeyo.blog.so-net.ne.jp/2014-03-29
    バイク用シートの張替えとタンクバッグ用防水カバーの自作

    https://kaaru-ni-kaaran-zeyo.blog.so-net.ne.jp/2017-11-04
    バイク(XLX250R)のシート張替え~自作ボリュームアップシート~

    これだけやるとシート張替えに自身がついてきた、かな?(笑)


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    XLX250Rのグリップヒータ自作 (2010年冬) [バイク]

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    XLX250Rのグリップヒータ自作 (2010年冬)





  • ことの始まり
    もうすぐ冬というある日のこと。世の中にはグリップヒータなるものがあるとのこと。自作した人がいる。
    やっぱり、できたものを買うと面白くないので自作してみることにした。

  • 基本回路と諸元の決定

    grip-heater-circuit01.jpg
    基本回路図
    こんな感じかな? Rrは右側のフィルム抵抗、Rlは左側のフィルム抵抗。Rvは可変抵抗。Eはバッテリー電圧。オームの法則とキルヒホッフの法則で簡単に解ける回路ですね。Rvで発熱量を制御したい。Rvの消費電力分が無駄になるけどね。また、Eは最大値として15[V]として計算した。理由は、抵抗選択時の定格値を選ぶ際に安全側にしたかったため。実際のEの測定値は、14[V]位でした(12[V]はtypical値。)。そのため、実際に抵抗で消費される電力はこの計算値よりも小さめになる。


    grip-heater-graph.jpg
    消費電力の計算
    表計算ソフトでいろいろ計算してみて消費電力は少なめに設定。それで、RrとRlは 20Ωにした。理由は、お世辞にも電流容量が大きいと言えないバッテリーのため。北国じゃないし、まあ、いいでしょう。Rvは、スライド式の可変抵抗器は断念。定格電力を満足するものは高価だし、大きくなりそうなので。

    補足:
    上のように書くとバッテリーから電力を供給しているように勘違いされると思われる。我ながら、文章、下手だね。
    電力は、レギュレートレクチファイヤから供給される。バッテリー容量のことを書いたのは、レギュレートレクチファイヤの出力電力の能力を推し量るためです。
    ここでまた、誤解を受ける表現をした。 XLX250Rの場合、レギュレートレクチファイヤという部品が取り付けられているが、この部品は、レギュレータとレクチファイヤ(整流回路)が合体したものです。上の説明を電気的に正確に書くなら、
    レギュレートレクチファイヤの出力電力の上限能力を推し量るためです。
    ではなく、
    レギュレータの出力電力の能力を推し量るためです。
    と、するのが正しい。

    Rvは、ロータリスイッチとセメント抵抗器を使うことにした。Rv=0, 2, 5 [Ω]を選択して発熱量(温度)を切り換える。温度コントロールについては他の方法も考えられたが、今回はオーソドックスな抵抗で調整する回路にした。他のサイトや購入品の消費電力を見ると、消費電力は今回の倍位の模様。実際に真冬にこの諸元で試したところ、自分のいる地方では十分だった。手よりも身体の他の部分の方が寒い。


    grip-heater-circuit02.jpg
    実際の回路図 緑色が追加した回路です。

    部品諸元は以下。
    D1 LED 手持ち
    E バッテリー 車載(12V)
    HT1 ヒューズ 車載(10A) 変更なし
    SW1 イグニッションSW 車載
    SW2 リレーSW 購入
    SW3 トグルSW 購入
    SW4 ロータリSW HS-13Z つまみ:WTN-15-1184/6.1 購入
    R1 セメント抵抗 10//10Ω,各5W max. 購入
    R2 セメント抵抗 1+1Ω,各5W max. 購入
    R3 ショート 0Ω 直結
    R4 フィルム抵抗 FH-20 20Ω 購入
    R5 フィルム抵抗 FH-20 20Ω 購入

    購入部品は、共立エレショップで。
    ちょっと解説。イグニッション・スイッチ(SW1)を回して、次に、SW3をONにすると、D1が点灯、及び、SW2がONになる。SW4によってR1,R2,R3に接続された場合、R4とR5に電流が流れて発熱する。SW4を開放端に接続した場合は発熱しない。SW4をカチャカチャすると接続された抵抗値(R1,R2,R3)に対してR4とR5の発熱量が決まる。
    SW3をONにした時点でバッテリーの電圧が +12V出力 と書いたところに出てくる。ここにコネクタを取り付ければ、バッテリー電圧を出力することができる。NAVI(GPS)をつないだりできる。

    ディレーティングについて。
    設計マージンとして抵抗の消費電力を約50%とした。R1,R2,R3の消費電力計算値が5W位なので、抵抗器は10W級が必要となる。よって、抵抗の消費電力は同じ抵抗値を2つ並列接続にして半分ずつの電力を消費するようにした。単体で10W級の抵抗器もあったけど、2倍の長さになるので5W級の抵抗器を使うことにした。

    次は実装設計ですが、詳細は省略します。はんだゴテ、テスターは必須です。

    補足:
    実装設計の内容を書かなかったのは、動作原理を理解せずに真似して作る人がでると危険だと思ったからです。電源系をいじるので事故でも起こったら大変ですので。
    動作原理が分かる人は実装設計とは何かを理解しているし、作業も自力でできると考えました。

    実装設計が終わったので、製作にとりかかる。回路のあちこちをギボシ端子でつないで組み立てやすいようにハーネス加工し、部分ごとに組み立てていく。イグニッションスイッチ(SW1)周りの加工が済んだら、バッテリーに仮接続して各部の電圧確認。当初、D1に直列に抵抗を入れる可能性を考えていたが、リレーSWの動作や電圧・電流を測定すると直結でもいけそうなので回路図のとおりとした。ちょっと明るすぎる気もするけど(一番先に切れるかなあ?)。確認中にヒューズHT1が切れた。ヒューズ容量オーバーかと思ったが交換しても再発しないので、しばらく標準値のままで様子を見ることに。結局、この後、切れなかった。仮接続での確認中にどこかにショートさせてしまったのかな?
    実は、ハーネスの絶縁は黒のビニールテープ。けちって専用テープを使わなかった。他にも100均の材料を多用。耐久性は疑問かも。バインダーは、紫外線に強い材質を使いましょう。

    grip-heater01.jpg
    左ハンドル側のフィルム抵抗をグリップに貼り付ける前。

    grip-heater02.jpg
    メータ周りにハーネスを出してきたところ。

    grip-heater03.jpg
    右ハンドル側のフィルム抵抗。ハンドルの上から黒のビニールテープで仮固定。

    grip-heater04.jpg
    更に、テニスラケットのグリップ用テープで固定。端っこは黒のビニールテープ。
    テニスラケットのテープを使ってみたのは別の意味で正解。ハンドルのグリップ感が増した。
    ただし、定期的にテープの交換は必要かな。テニス用なので。


    grip-heater05.jpg
    左ハンドル側も同じように処理。

    次は、制御部の制作。スイッチと抵抗を何のケースに入れようかひとしきり考えて、手持ちのこのケースに入れることに。見たことがあるかもですが、キシ○トール・ガムの黒い入れ物。

    grip-heater06.jpg
    ケースに回路を入れたところ。配線チェックもOK。

    grip-heater07.jpg
    別の角度から。

    grip-heater08.jpg
    ハンドルの左側に固定。適当なアルミ板に取付穴をあけて、ケースを取り巻くように曲げてバインダーで固定。

    grip-heater09.jpg
    さて、ここまであまり真剣に考えていなかった防水対策。後付...
    100均でシートを買ってきて被せてみた。ケースの穴にはシリコン接着剤で穴埋め。でも、スイッチ関係は防水対応じゃないんだよなあ。


    grip-heater10.jpg
    横から見た。うーーん。手作り感満載。

    使用感
    結構使える。冬用グローブじゃなくても手のひらが暖かい、というか、最大温度にすると熱いくらい。でも、手の甲は寒い。変な感じ。ハンドルカバーを付けると最強といわれることがうなずける。
    12V出力もちゃんと出る。その後、シガレットソケットを買ってきて12V出力でGPSの電源供給に使用中。こっちをよく使うなあ。


    補足:
    2019年現在、壊れて交換した部品は、トグルスイッチのみ。
    ヒューズが切れることもなく、LEDも今のところ健在です。
    年中、ナビの電源供給に重宝しました。
    グリップヒーターは、冬はもちろん活躍しますが、一番ありがたかったのは春と秋に突然、冷たい雨に出会った日でした。
    本当に事故を起こしそうなくらい手がかじかんで動かない時にグリップヒーターが稼働すると助かります。
    今の時代は、ポン付けのグリップヒーターがある時代なので、装備することをお勧めします。
    特に、若くないライダーにとっては本当に必須の装備だと思います。
    ただし、バイクの電力供給能力には注意しましょう。
    (電力と書きましたが、電圧はどれも12V系なので電流値で判断して問題ありません。6V系のバイクは、基本的に、半分の電力になります。)
    グリップヒーターのありがたみを身にしみて分かっていたので、V-Strom650XTは純正のグリップヒーターを取り付けてもらいました。

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